2014年8月19日火曜日

文化の街 Cidade da Cultura

8月17日(日)

旧市街から南東に約2km、丘の上にモダンな形の建物が建っているのが見える。

丘を切り開き、Cidade da Cultura(ガリシア語)、Ciudad de Cultura(スペイン語)と名付けて、「文化の街」といった意味合いだろうか、そんなプロジェクトが進行中だ。10年ほど前にアメリカの有名な建築家の設計で計画がスタートし、一部が出来ている。ただその後の政権交代やスペインの財政不安から、計画がストップしたり遅れている模様だ。

今朝起きてゆっくりしていたら、セニョールが「こんな天気の良い時に君は何をしてるんだ!確かCidade da Culturaに行くと言っていたんじゃないか?」と声を掛けてきた。「いや、昨日・おとといと遠出をしたのでちょっとゆっくりしようと思って。そこはまた来週でも良いし・・・」と返事をすると「来週もこんなに良い天気になると思ったらだめだ。ここは雨が多いんだから。今日だったら遠くまで見晴らせて、絶好だよ!」と言う。

追い出されるようにして家を出た。10分ほど歩いてバス停へ。日曜日は特別ダイヤで本数が少ない。30分待ってバスが来た。ぐるっと一周する循環バスで1ユーロ(140円)。



開発中の「丘のふもと」まで来たので、てっぺんのバス停は次くらいかな、と思っているとだんだん遠ざかっていく。あれれれ??しばらくするとまた少し近づく。そうか、てっぺんに行く道が別にあるんだと納得。しかし、ついにてっぺんに行く事なく最初に乗った場所に戻ってしまった。30分かかって一周したのだ。

運転手に聞くと、あの「ふもと」で下りて上までは歩いてゆかなくちゃならない、という。

乗ったままで2周目の「あのふもとのバス停」まで行って下りた。ゆるい坂道を15分、その間、誰一人として会わず登っていった。自動車も3、4台が通っただけだ。突然視界が開け、大駐車場とモダン建築が見えてきた。




しかし、駐車している自動車は50台もない。建物周辺も人影はまばら。一つの建物に近づいていくと「水展」なるのをやっている。今日は日曜日なので入場料無料。入ってみた。おいしい水を一口でも飲ませてくれるコーナーがあるのかなと思ったのだが、何もない。



無人と言っていい位入場者は少ない。少し暗くしたところで映画展示もやっていたが、誰一人おらず、映像と音だけが流れていた。


せっかく見晴らしの良い丘に立っているのに向こうにある旧市街
を楽しめない。

誰も見ていない展示室

人を探してもいない


この街のプロジェクトと言い、展覧会の様子と言い、なんという巨大浪費か、と思ったりした。日本のバブル期の箱もの乱造と同じように思えた。至る所、建築途上(資金不足で停止中?)。これなに?と思うものもある。




僕の帰宅予定に合わせて、いつもより30分ほど遅めの3時に昼食を用意してくれていた。

Pan tomata と言うガリシア料理。トーストしたパンにトマト
ペーストの様なのを塗って、その上にイベリコハムを乗せる。
レタスを皿にしてツナ・ポテト卵・トマト・白アスパラガス・オリー
ブを乗せている。これで終わりかと思ったら次が出て来た。
小アジのフリット。ポテトとPadrón産ピーマン添え。
とてもお腹に入らないので3尾残し、さらに中央のさらに3尾
残ったのを合わせて6尾を夕食に取り置きしてもらった。
贅沢にも、さらにフルーツ。
スイカ、小さい桃、バナナ(飾り包丁がいれてある)、メロン

食事中は、この「文化の街」についてのちょっとした議論。

僕の印象を言った。巨大浪費。古都に似つかわしくない超モダンな形状の建物、不便な交通、興味をひかない展覧会、など。ただ展覧会は、時間が無かったのでほとんど素通りで、説明は読んでいない。

そう言うと、この夫婦二人とも、「このプロジェクトは素晴らしいじゃない、丘のなだらかな斜面に沿った形状の建物、石を多彩に使用した自然の感覚・・・・・」と、正反対の意見を持っていた。人が少ないのも今日が日曜日だから、と。

このプロジェクトをスタートさせたのは右派政権だったそうだが、この二人は右派寄りだったかも。そういえば、ここのセニョーラの義兄弟は今のスペイン政権ラホイ首相のいとこだと言ってた。

セニョールが冗談で、「あのプロジェクトは最高だ、素晴らしい、気に入ってる」と言わないと明日から食事が無くなるぞ、なんて言う。

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