2018年7月16日月曜日

スペイン語の敬語 と tutear

日本語の敬語は難しい。まずは、自分自身がまともに言えているかどうかが疑わしいが、他人さまの発言が「おかしいでしょ!」と思うものも多々ある。

もちろん英語にもスペイン語にも敬語はある。今日の話題はスペイン語の「君(きみ) Tú」と「あなた Usted」。

スペインでは店やレストランでの「客と店員」、ホテルや飛行機内の「客と従業員」等々、明らかに敬語を使わなければならない場合を除き、堅苦しさを感じる「あなた Usted」より親しみを感じる「君(きみ) Tú」を使う。

初対面の人にいきなり「君(きみ) Tú」という場合もあるが、普通の大人に対してすぐになれなれしく「君(きみ) Tú」と言うのもちょっと勇気がいる。

語学学校では生徒同士も先生と生徒の間も「君(きみ) Tú」だ。もちろん、20歳の生徒と70歳の僕の間でもファーストネーム(姓名の名のでほう)で呼び、「さん」つけも無い。

スペイン人家庭でお世話になっているときも  家の中では皆「君(きみ) Tú」でしゃべる。ここで、トレド Toledo のファミリーで一つの疑問が発生。

ここの「奥様」、数日たっても<「君(きみ) Tú」会話>にならない。こんな時に、「親しくなったでしょう? 堅苦しくしないで! 「君(きみ) Tú」をつかいましょうよ!!」という意味の tutear という動詞があって、tu を使ってフランクに話しましょう、と言うことがある。

さすがに何日も「あなた Usted」から抜け出せないでいると、???がわいてくる。3回くらい tu 言い合いましょうよ、と提案したが変わらない。16日間の滞在中ずっとだった。

なぜ? 考えたがわからない。70歳の僕と、僕よりずっと若い「奥様」のこと、たぶん年齢差が大きいから「年長者」に対しての言葉遣いでそのようにしたのか、としか考えが思い至らなかった。

ところが、だ。日本に帰って来てからスペイン語会話のスペイン人先生に事情を話して、「どうして?」と聞いた。思いもかけない答えが返ってきた。

「優越感」の表現だ、というのだ。

一瞬なにの事だかわからなかった。「僕が年配者だから僕のことを立てて?」と聞いたら、「いや、そうじゃない。知識階級の家庭で、お金持ち。自分の家の中でもハイヒールを履いているような女性です。自分たちのことをあなた(僕のこと)よりも高級な人だと思っていての言葉使いでしょう」と。

なるほど、わからなくもない。と言うことは、僕は半分馬鹿にされていた、ということ? 劣等者に見ていた? 人種偏見? トレド Toledo という地域特性?

1 件のコメント:

  1. トレドのファミリーの話、驚きました。欧州人はアジア人に
    対する偏見、蔑視はあることは承知でも、ホームステイを受け入れている
    それを商売にしているご家庭でこれはないですよね!
    薄々、なんか冷たいファミリーだなあ、インテリだからか?!と思って
    いましたけどね。トレドという土地だからでしょうか?
    なんのためにホストファミリーをしているんでしょうね!

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