6月29日(日)
*** 相当たくさん書いたが、記録と皆さんへのアドバイスのためです ***
犯罪とはほとんど縁のないバリャドリードに4週間余りいて、スペインの大都市での犯罪の多さに気を付けるのをすっかり忘れてしまったいた。
部屋をきれいに片づけセニョーラにチェックしてもらい、家を出た。昨日駅に切符を買いに行ったので家からのバスが止まる場所も分かっていた。駅で待つのは何でもないので、安全のため一本早いバスにしようとセニョーラに言ったのだが、日曜日で交通量も多くないので丁度のバスで問題ない、と言われこのバスにした。電車の出発時刻の30分前に、無事駅に着いた。
25分前に乗客が列を作りだした。私が買った切符はAVE(日本の新幹線)のものだったようで、乗客の手荷物検査をする。列はそのためのものだった。
過去にこの検査で引っかかったことが無かったので何事もなく過ぎると思いきや、今回初めて「スーツケースを開けて10cmくらいの金属製のものを取り出して、私に見せてください」と、女性検査官に言われた。
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疑われたのはナイフと思う |
疑われそうなものは二つ持っていて、一つは6徳アーミーナイフ。キャンピング用の小さなもの。それとコルク栓オープナー。これは以前ボトルワインを買って、これをもっていなかって困ったことがあったから。
万が一の可能性を思って、この二つはすぐ取り出せる分かりやすいところに入れている。検査官は持ち場のX線検査の画面のところに戻り、他の乗客の荷物をチェック。私がすぐにナイフを取り出すと、私のところに来てそのナイフを画面の場所に持って戻り何か調べている。長さなんだろうか? 私のところに戻ってきて「OK!」とナイフを私に返却。わたしも「ホッ!」。
一両56人乗りの8両編成。
途中一駅セゴビアで停車、定刻の2分前の11:03にマドリードChamartíne駅に着いた。
ここから目的地に行くためには近距離区間の切符を買わなければならない。ここからは詳しく書く。「こういうことに気を付けてください」をいうアドバイスです。結論から言うと4枚のクレジットカードのスリにあったのです。逢いかけたのではなく、実際に盗られてしまったのです。
特に何時何分の電車に乗らなければない、という事はなかったのですがAVE日本でいう新幹線のプラットホームを降りてまずは改札口を出る。ここまで来るのに10分以上かかっている。次の作業はGuadalajara行きの切符購入だ。ちょっと見渡しても切符売り場がない。券売機に挑戦したが簡単にできるものではない。おろおろしていて、ちょっと後ろを振り返ると「私も分からないんですよ」と声があった。
そうこうしている時に一人の男性が「やってあげましょう」と声をかけてくれ、行き先のGuadalajaraを言うとサッサッとボタンを押して、現金20ユーロ札を使って切符代5.50ユーロ、おつり14.50ユーロはすべて硬貨で出てきた。切符と領収書(11:26を記録)も出て来た。沢山出てきたので列から離れて硬貨と切符と領収書を入れるべきところに入れた。次は列車が出るホームに行かねばならない。
掲示板を見ると6-8番線と書いてある。意味が分からない。すると高校生くらいの女の子が「案内したげるから付いてきなさい。」としぐさを交えて、今から思うとちょっとたどたどしいスペイン語でいう。親切なんだ、と思い感謝。8・9番線ホームにつながる地下道を一緒に進んだ。
ここで僕の財布がポケットから出てチェーンでぶら下がっているのを女の子の一人が教えてくれた。???おかしいなと思いながらポケットに入れなおした。そして「ここだと思う」と言う8・9番ホームに一緒に上がった。ここには階段しかない。スーツケースを軽くした“成果”が出た。「うーん、ここではないみたい」と言う仕草で下に降り、今度は6・7番線ホームに上がった。15kgのスーツケースでも上がって、降りて、また上がるのは結構しんどい。
ここまでしてくれたので女の子に感謝し「あとは自分で探す」と言って(と言う仕草をして)女の子二人と別れた。
ホームで列車を待っている子供連れのおじさんに「このホームでいいの?」と聞くと首をかしげている。直前にならないと到着ホームが分からないシステムになっているようだ。「あと1分で発車」とか「あと3分で発車」と表示が出るがころころ変わり、到着ホームが分からない。突然「あと1分で発車、ホームは8番線」などと言う表示が出て、1分でプラットホームを下り登りしなければならない事態が発生することもある。
ともかく、11:48発車予定の Guadalajara グアダラハラ行きは3分遅れで7番線から発車した。始発電車ではなかったが座れた。家から水を持って出るのを忘れてのどが渇いたが、ビール1缶しかない。スペインでは公園などでアルコールを飲んではいけないという法律があったと思うので、電車の中でもきっとそうだと我慢。
途中、携帯の着信お知らせ音があったので見るとSMTカード会社から12:51にメールが入っていた。曰く 「本日19:49(スペイン時間12:49)《切符を買った23分後》に45万円余の買い物を申請されましたがご利用枠を超えているためカードがご利用いただけませんでした」とあった。最近、このような不審なメールが良く来るのでこれも何かの詐欺のためのメールかと思い、放置。
2分後の12:53にまた、「本日19:51(スペイン時間12:51)《切符を買った25分後》に22万円余の買い物を申請されましたがご利用枠を・・・・・」。おかしいなと思い自分の財布のカードを確認、、、ない!! 4枚のカード全てがない。20ユーロ札と5ユーロ札だけは残っていたがクレカがない。
実は今日朝、これまではクレカ2枚はスーツケースに、2枚は財布に入れていたのだが、スーツケースに入れとくのは面白くないなと思い財布にうつした。列車の中には大型荷物置きスペースがあり、スーツケースはそこに置くことになっている。スーツケースごと持っていかれたらいやだなと思い、財布に移したところだった。リュックと財布の2か所に分散すれば良かったんだけど、結果的には最悪の事になってしまった。
そのあとにも12:53にも全く同じ時刻・額のお知らせ。
そして1時間余の後の14:10に4回目のお知らせ。21:08(日本時間14:08)13万円余。
電車は午後1時20分ごろ到着。電車の中では茫然自失だったので、まずは落ち着いてとグアダラハラ駅の改札口に。そこに若い旅行案内の男の子(後で聞くとボランティアらしく鉄道会社を支援する公共会社(adifと書いてあったかな?)から支給された制服を着ているボランティア)がいたので、こうこうこうでクレカをマドリードの駅で盗まれたので警察に行きたい。というと、彼は冷静に「まずはカードをストップすることです」と。と言っても、カードを落としたことはあっても犯罪的に盗まれたことが無いのでオロオロ。
最初彼に会った時に、警察に届けを出したい、と言ったので警察には連絡してくれていた。そうこうしている間に日本にいる息子に「スリにやられた、どうしようと」とLINEで相談。色々調べて、カード会社に電話などしてくれて、なんと代理人として3枚のカードの使用のストップをかけてくれた。(残る1枚はホテルに入ってからネットをゆっくり操作しストップを完了)
私が持ってきている携帯は楽天で、そのままで(ちょっとした操作は必要)スペインではwifiが使える。私の操作ミスだったのか電話が使えず、それでもwifiやLINEやWhatsAppが普通に使えるので電話の必要性がなかったし、今も日本にいる息子とLINEで連絡が取れている。ここにきてカード会社に連絡するのに電話が必要だったことが分かり、きちっとテストをしておけばよかったと反省。ただ、カード会社への連絡は多分ネットでもできるのだろうが、今の今、冷静に色々考える余裕がなかった。
さて、そうこうしていたら警察から男性一人女性一人が来てくれて、さっきのボランティアとそばにいた若い列車待ちの女性と5人で色々話。若い女性は私に向かって「英語できますか」と英語でぺらぺら。私が英語でちょっと答えるとボランティアの男の子も英語でペラペラ。警察の女性は携帯の翻訳アプリで「被害届を出しますか?」など、英語とスペイン語が入り乱れ。私はと言うと、情けないことに頭の中が英語とスペイン語がミックスしてまともな言葉にならない。
警察としてはモノやお金を盗られていないので「被害届を出していただく必要はありません」という事になった。もうひとつ考えられるのは、犯罪がマドリード市のチャマルティン駅で発生していて、管轄はここグアダラハラではないですよ、と言いたかったのでは?
私もとりあえず冷静になりかけてきたので皆に礼を言って、宿に向かうことにした。駅からはタクシーを乗るつもりでタクシー乗り場に行ったら、お兄ちゃんと(多分)フランス人女性のふたりがベンチに座っていた。「二人もタクシーを待ってるの?」と声を掛けたら、そのお兄ちゃん、明るい!! 「いや、俺たちサラゴサに行くからタクシーじゃなくって≪ブラブラカー≫だよ。おじさんどこから?」 「日本の大阪」 「日本最高! 握りうまい 俺メキシコから来てんだけど すし・握りはメキシコでも大人気。メキシコでは刺身もいっぱいある。刺身にオリーブ油(と言ったかな?)が一番、ほかに何もいらい。日本のアニメや〇〇(聞いたことが無いタイトル)めちゃくちゃ好き。タクシー呼んだげるよ。」 と電話。そして私に売り物と思われるミサンガを一つプレゼントしてくれた。どうしても、もらってほしいと懇願された。
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多分Zaragozaで商売するための売り物 だろう。たくさん持っていた中のどれ でもいいから選べと言ってきかない。
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そして1台の車が到着。タクシーのような車ではない。天井にTAXの表示も無いしメーターもない。でも、明るい兄ちゃんが「きたきた!」と言い、車の運転席のお兄ちゃんも手招きする。ちょっとおかしいな、と思いながらも乗車。「どこに行く? ホテルの住所と名前は? 携帯のGoogleMapを出して頂戴」と僕に言う。携帯の中に入っている予約確認のメールを見せると、僕の携帯でホテルを探してそれを見ながら運転している。10分足らずで到着。「いくら?」と聞くといわない。代金は取らない、と言う。ワケが分からない。タクシーじゃなかったんだ。明るいお兄ちゃんの友達?
車を降りると一緒に写真を撮ってくれ、と言う。ますます訳が分からない。
そんなことで、先ほどカードのストップ処理をし、バザールに行って今晩と明日の食べ物をちょっと買ってきて、いまホテルでこれを書いている。バザールと言うのはスペインどこの街にでもある雑貨店。たぶん中国の人が個人経営でやっていて、普通の店が閉まる日・時間帯もオープンしていて、すごく使いやすい。今日日曜日なんかどこも休んでるのに店を開けてくれていて、ちょっとした飲み物・駄菓子・日用品などいろいろ。
バルは日曜日でもやっているところがあるが、今日の今、暑くて外に行く気がしない。ホテルの部屋はエヤコンが効いている。明日は銀行に行って円をユーロに替えなければならない。やってくれるかな?