家の隣はカテドラル。
家の構造を口で説明するのはちょっと難しい。4階建ての建物。通りに面して3つの入口がある。
僕の部屋は真ん中の入り口から入っていく。エレベーターはあるが動いていない。階段を3階まで上がると鍵のついたドアがあり、開けて入る。そこに10畳くらいのサロン。ほかに同居者はいないので、このサロンは僕専用。ソファ、丸いガラステーブル、4脚のクッションのない木製丸椅子、テレビ、低いテーブルなどがある。勉強はこのサロンでする。
そこから右手に僕の部屋。6畳くらいの広さでシングルベッドと作り付けの衣類収納庫。僕の部屋専用の4畳くらいのトイレ・シャワールームが付いている。シャワーコーナーは例によって小さい。タオルの両端を両手で持って背中に回してゴシゴシと右左に手を動かそうにも、壁やシャワーカーテンに当たり窮屈。
サロンから僕の部屋がある方向とは反対の右手には、2部屋とその2部屋用のトイレ・シャワールームが1部屋ある。これらの部屋は息子が使っているが、週末に寝に帰ってくるだけでいつもはいない。
トイレを含め各部屋全てにオイルヒーターが付いている。ただ、トレドの夏の日中は42℃にもなるので、部屋貸しをするにはエヤコンが必須と工事中。本格的に民宿経営に乗り出す?
家族構成は――
セニョール(旦那さん): 世界遺産関連歴史学の学者。ただいま本を出版するための執筆中。ほとんど家に帰ってこない。研究室が自分の家みたい。ほとんど話していない。
セニョーラ(奥さん): 経済学卒。今は無職。
息子: 17歳。近くの高校に行っているが寮制のため週末だけ帰宅。ほとんど話していない。
娘: 16歳。上の学校に向けて勉強中で僕が行っている間、試験勉強真っ最中~試験~合否発表。見事合格。合格した翌日から体調を崩し5、6日ほとんど食事をとらず寝込む。非常にナイーブな性格だとお母さんは手を焼いている様子。
セニョーラは家にいるときでも3~4cmくらいのハイヒール(中ヒール?)の靴を履いていて、歩くと結構音が響く。僕は日本の100均で買ったサンダルを持って行ったので、許しを得て家の中はサンダルで過ごした。快適。
食事は2階に降りて行って、ダイニングキッチンでする。見事に綺麗に片付けられている。冷蔵庫と、カウンターの下にはビルトインの食器洗い機と洗濯機。カウンターの上には、コーヒーメーカー、電子レンジ、ジュース絞り器、トースターが置かれている以外何もない。モデルルームの様だ。
僕の契約では2食付きだが、その2食を「朝・昼」にするか「朝・夕」にするかはファミリーの選択に任せることになっている。僕のファミリーは「朝・夕」を提供するということだった。
朝食はセニョーラと相談して8時30分にお願いすることにした。インスタントのネスカフェに熱い牛乳を一杯注ぎ込んだミルクコーヒーとパン・ビスケット・マフィン、時にはシリアル。それだけ。非常にシンプル。牛乳は脱脂乳。
僕の昼食はファミリーが作ってくれないことになっているので、外食。大学の学食、先生お薦めの安めのレストラン、バルでおつまみだけで済ませたり。昼食の時間に家にいったん帰ることもよくあったが、家の台所から良い匂いが漂って来た、なんてことはなかった。奥さんは料理が得意ではなさそう。道理でダイニングキッチンが異常に綺麗なわけだ。
夕食は夜の8時30分からで、ハムやチーズをカットしたのと、スープか野菜サラダ。メインディッシュといった感じのはほとんど出なかった。「スペイン人の夕食は非常に簡単なんですよ」という、それは理解してる。食後のデザートとしてヨーグルトかフルーツは出してくれた。パックか果物丸々の状態で出されるのだが。
スペインではメインの食事である昼食は概して豪華なのが普通だ。だから、同じ「2食付き」の契約でも、「朝・夕」よりも「朝・昼」の2食の方が「お得」だ。「朝・夕」の場合は料金に差をつけて安くしてほしい、と言いたいくらいだ。いや、学校の担当者にはちょっと小言じみたことを言ったのだが、「2食つき」の場合、契約上「朝・昼」と「朝・夕」の価格の区別はしていない、と言うことで押し切られてしまった。
その他、掃除や洗濯やシーツ交換などで問題はあったのだが滞在が2週間と短かったので、僕の方が我慢してすましてしまった。
トランペットは2、3日も練習を休むと元に戻すのに日数がかかるので、練習できるようにと楽器を持参していたが、ファミリーの状態を見て、結局トレドでは一度も練習できず。ハーモニカも、帰国後すぐに発表会を控えていたが、これも同様練習できず。
とにかく、家が学校、街の中心まで2、3分と非常に近いのが良い。窓ガラスは断熱・遮音の2重ガラスが入っており、通りの声や音は気にならなかった。
つぎは、学校の様子をリポート。
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