2011.4.20 (水) 記
「ホームステイ」――― 近年、高校生や大学生が体験留学や、ワーキングホリデイなどと言うもので、ホームステイを経験することが多くなっている。僕の娘も、高校生のときに、たったの3日だったがお世話になったことがある。
僕は、この夏で64歳になる。この世代には「ホームステイ」と言うのは、憧れであり、また何かしら“まぶしい”気がしたものだ。中学生、高校生のころには、外国の人と「海外文通」などというのをやった世代だ。「ペンパル」などという言葉も今思い出して、懐かしい。
憧れの「ホームステイ」も反面、お世話になったのだから、滞在させていただいた家の方が後日、何かの拍子に日本に来られた時には、そのお礼に今度はこちらが色々とお世話しなければならない、と言うような意識が頭にあり、ちょっと気が重い、と言うような気がする―――これが僕らの世代、または僕の中にあった。
でも、日本を出発する前に、語学留学の世話をする日本の紹介会社の方たちに聞いても、実際にセビリアで体験した「ホームステイ」は、そんなに“しんどい”ものではなかった。うん、でもちょっとしんどかったこともあったかな。
一般的に、ホームステイの受け入れ先の家庭は、日本の民宿に近い感覚のようだ。
家庭の収入の足し、または主たる収入源に。
外国文化に興味があり、いろんな国の留学生と話がしたい。
話し相手が欲しい。
国際ボランティアの感覚。
と、理由はいろいろ。
僕のセビリアでのホームステイの2週目が終わろうとしているある日、ステイ先の女主人が僕にコンコンと説教した。内容はこんな具合だ。
1.あなたは「ホームステイ」しているんです。ここはホテルでは
ありません。家族の一員らしい振る舞いをして欲しい。
2.ファミリーだから、たまにはリビングに来て頂戴。おしゃべり
しましょう。日本のことやら、スペインのことやら、お話しま
しょうよ。
3.スペインではお昼の食事は家族が集まり、ゆっくりと団欒し、
食事とおしゃべりを楽しむ場です。あなたのように食事を
さっさと終えて部屋に戻ってしまうのは良くないです。
=== 実際、さっさと帰っていました。理由は4つ。ひとつ
は、授業の予習・復習・宿題の単語調べをするだけでえらく時
間がかかり、ゆっくり時間を食べている時間が惜しい。
=== もうひとつは、ホームステイメイトのスイス人の女性
のスペイン語力がかなりあり、3人で話していても僕ひとりだ
け置き去りにされ、ついていけない。
=== さらに、僕にスペイン語力が圧倒的に不足しているの
で満足に「聞けない」「しゃべれない」。僕に話が向けられても
シンドイ。
=== 学校の授業でもそうだが、スペイン語を聞くには、も
のすごい集中力が必要で、そんなに一日中クタクタになりたく
ない。頭の中は、この単語は何だったっけ?男性名詞?冠詞は?
動詞は?その変化形は?などなど、コンピューターの如く働き、
回線がショート・加熱断線寸前の状態になる。出されたご馳走
を味わっている余裕はない。
4.家を出るときに「行ってきます」、帰ったら「ただいま」、食事
する前に手を合わせて「いただきます」、終わったら「ごちそう
さまでした」と言うのは良い習慣です。
=== みんな、日本語で言っていました。
要するに、みんな僕のことを思って、早くスペイン語が出来るように、との事なのだ。わかっているのだが、スペイン語超初心者の僕にはつらい。
僕の場合は、未亡人ひとりの家庭で、ホームステイメイトがいた、などスペインの一般家庭とは少し違うホームステイ環境であったが、それでも、家の中の様子、暮らしぶり、スペイン人の考え方、など、旅行でのホテル滞在では得られない体験を数々させていただいたのは大変貴重であった。
一方で、次に短期留学するときは、もう少し僕を放って置いてくれる簡易ホテルのようなところのほうが良いかな、考えたりもする。それとも、次回留学時には僕のスペイン語力が向上して、少々の会話ならスラスラとできるようになっているかな?
次回もスペインかな? キューバか南米もいいな。今年(2011年)年末目標だな。
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