8月31日(日)
チップについてはほろ苦い思い出が二つある。一つは、45年ほど前の学生の頃にバックパックで世界一周(正確に言うと南北アメリカは行ってないが)でインドを旅した時に、あげるべき時あげず小さな出来事が起こった事。もう一つは日本での出来事で、大昔の冠婚葬祭場での話。公的な施設だったので不要だと思って「心付け」(要するにチップ)をしなかったのだが、手ひどい扱いを受けた覚えがある。
それはさておき、そんな事があったのと、日本人の特性か人並みの事をしなくちゃと言う意識が働くのか、いつも結構気になる。
それはさておき、そんな事があったのと、日本人の特性か人並みの事をしなくちゃと言う意識が働くのか、いつも結構気になる。
以下はスペインに限ってのことだが・・・・・
●僕の場合
基本は、一切なし。街中のバールや庶民用のレストラン、タクシーなどはなし。
白テーブルのかかっているちょっと高級なレストラン(と言っても経験がないので、行ったらするつもり)やスーツケースを積んでもらったタクシーなどは5%から10%。ホテルの枕銭は、したりしなかったり。
●ステイ先のファミリーの話
セニョーラのご両親の場合はいつもたっぷりしていた、との事。相当前の事なので、今は世間の事情が変わってる、とセニョールが言う。セニョーラは、例えば美容院に行ったときなどで、25.80ユーロと請求されたら26ユーロ渡してお釣りをとらないくらい、とか。これくらいの額なら、僕なら逆にキチンと釣銭をもらってしまうなぁ。「これ、チップです、と渡すには恥ずかしいかな」と思ってしまう。
セニョールの方は「全くしない。必要ない」とチップは全否定。高級なレストランでもどこでもしたことがない、と言う。
もう一つ。スペインには「El Corte Inglés」と言うスペイン全土に展開する大きな百貨店がある。ここサンティアゴ・デ・コンポステーラにも旧市街から少し離れたところにある。行ったことはないがセニョールのそこでの話。中にあるバールかカフェかレストランかは知らないが、一切チップを受け取らないという。知らずに置いた客には「チップは受け取れません」と返すそうだ
●語学学校の先生(43歳女性)
チップは義務じゃないから、してもしなくてもいいんだけれど、ちょっとボーイさん(camarero)の愛想がよかったり応対が気に入ったら0.20だったり0.50だったり1ユーロだったりをあげる事もある、という事だ。
●ロシア人のアミーゴ
ロシアではチップをあげるのが普通なので、ここでも常にあげてるとの事。僕は「チップ反対派」なので「せっかくスペインがチップ廃止に向かってるのに、そんな事をしたら逆戻りじゃない!」と言ったんだけど、彼はやめる風ではない。
●ドイツ人の若い女性とイギリス人の若い男性
この二人とロシア人と僕の3人でバールで飲んだ時のこと。4人で勘定が16.40ユーロだった。みんな割り勘で5ユーロずつ出した。この後どうするかなと思ったら、20ユーロ全部置いてつり銭をもらわずに出てしまった。
このバールでは、ふつう2杯目のワイン(ビールなどでも)を頼んだ時にはタパは付いて来ないんだけど特別に頼んでタパを付けてもらった。そのことがあってチップをたくさん置いたのかな?それにしても、3.60ユーロのチップは多すぎると思うんだけど。
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世界的には、チップで生活するという収入不安定な労働者を無くそうという方向に向かっているそうだ。チップに依存しない安定した給料で働いてもらおうという事だ。