2019年4月21日日曜日

今日の目的地エシャリ・アラナツ

4月20日(土)とんだ小旅行でした。

ネットの時刻表ではバスの出発は15:00、バスターミナルに着いたのがその20分前、何社かのバス会社の窓口があり、その一つに並んだ。僕の番になり窓口の女の子に「ここへ行く切符はここで買えますか?」と聞いたら、「自分の会社のバスはそこにはいかない。そんな場所は知らない。そこに案内所があるけど16:00からしか開かない」ときた。

観光パンフレットに載ってる有名地なのに知らないなんてありえない。いくつか開いていた別の窓口もいつの間にか閉まっていた。

発車時刻も迫り、焦る。出発予定の電光掲示板を見ると15:00に出発するバスが6台ある。プラットフォームが30ほどある。発車まで5分。こちらのバスは結構きちんと定刻に発車する。

急いで、15:00に発車しそうなバスの運転手に聞いて回った。4台目の運転手がやっと「このバスが行くよ」と言ってくれてすぐに乗り込み、乗車券は運転手から買った。4.10€(520円)。定刻2分前だった。そして定刻に発車。

ほっとして、バスの1番前に座り運転手に「僕の停留所に来たら教えてね」と頼んでおいた。




走ること約40分「次だよ」と忘れずに教えてくれた。かなり田舎だ。



セマナ・サンタの祝日期間中だからバスの時刻も何か特別なものになっていたら帰れなくなる。パンプローナ行き方向のバス停に行って、バス待ちをしている人に「帰りはここから19:59のバスがあるんですよね」と確認した。

ついでに観光パンフレットを見せて「観光案内所はどこにありますか?」と聞いたら「ないですよ」。「この橋はどこにありますか」と聞いたら「それはここから40kmほど離れたところにあります。」 「この断崖絶景は?」と聞いたら「相当遠いですよ。」 さらに「この教会は?」と聞いたら「???」

トイレにも行きたくなったし情報集めのためバルに入ってコーヒーを頼んだ。カウンターの中の若い女の子がネットで調べてくれた。バス停で聞いたことと同じことを言う。おかしいなあ????



散歩のつもりで来たので観光名所がなくてもそんなに困りはしないが、釈然としない。


景色を見ていると、首をかしげている煙突が一本。
僕の気持ちを代弁しているようでおかしかった。

まあいいや、と小さな村の外周を一周散歩して帰ろうと歩いていると、家の前で話をしている家族を見つけた。話すチャンス、と声をかけて「このパンフに書いてある観光名所はないのですかね?」と聞いた。

ご主人と奥さんがパンフの地図を見て「あなたが今いるのはこの地図からちょっと離れた場所でエシャリ・アラナツ(正確な発音は??)ETXARRI ARANATZ、パンフの場所はエステージャESTELLAですよ。あなたはちがうところにきています。」「ここは人口2,000人の村で観光するようなものは何もありません。」と教えてくれた。えぇぇぇ???とみんなで大笑い。

どこでどう間違えたのか、ネットのバスの時刻表を調べた時を思い出そうとするがわからない。パンプローナの切符売り場の女性の不審な応対もこれで分かった。誰もほとんど名も知らない村行きのバスの乗車券を買おうとするんだから。

家の横にある白い花をたくさん付けている木があったので、桜ですか?と話を向けたら、家族のおじいさんらしき人が近寄ってきて木の説明。リンゴの花らしい。


桜のたくさんの花をつけている。満開。

僕の家にもリンゴの木があって、とかアーモンドの花もきれいですよね、なんて話をしたら納屋に案内してくれた。ちょっとした大きな袋の中に手を入れ、「このクルミもこのヘーゼルナッツも採れたものだよ。一寸
食べて見るかい?」とクルミを割ってくれた。



「あれ?カナズチで割るんですか?」と言ったら「専用のペンチみたいのがあるんだけどクルミはカナズチが一番」と10個ほど割ってプレゼントしてくれた。おいしいことおいしいこと、感激!

田舎の村の写真を撮りながら村の外周を一廻り。途中ベンチに座り、持ってきたバナナと頂いたクルミを楽しんでちょっと遅い昼ご飯。



さらに散歩を続けて、途中何人かに声をかけてスペイン語会話の練習。






村はバスク地方に属しバスク語とスペイン語の両方が通じる。地元で生まれ育った人はバスク語で話し、外から来た人はスペイン語で話す、という感じ。でもみな両方が分かるという。役所の掲示板が公園にあったがほとんどすべてバスク語だった。



村の中のいろんな表示もバスク語が優先、落書きもバスク語。





帰りのバスの時刻にまだ余裕があったがバス停をちらっと見たら、もう待っている人がいる。バスが来る45分も前なのに。ひょっとしたらバスがもっと早く来ることになったのかな?と思いそのままバス停にいることにした。


このバス停で待つこと45分。

何が起きた? いや、何も起きなかった。45分間そこでずっと待ち、バス停では2人の女性がずっと話をしていた。バスク語だからまったく意味不明。バスは予定通りの19:59に到着。


到着までの間の会話の一つがこれ・・・アフリカ系らしい片方の女性が、片言のスペイン語で僕に話し掛けてきた。スペイン語は上手ではなく、話し相手の女性が僕のスペイン語をバスク語に通訳。
女性「私,サハラからきているの。」
  僕「この近くにサハラという村があるの?」
「いいえ、モロッコのサハラ砂漠から」
  「なんでここに?」
「お金くれたら奥さんになってもいいよ」
  「・・・・・」
「だってあなた指輪してないじゃん」
  「僕、指輪しないんですよ。結婚してます。」
などという冗談会話をして時間をつぶしたのだった。いや、向こうは結構本気そうだった。怖い、怖い!

2 件のコメント:

  1. さすが、一人歩きに慣れてますね!!
    私ならパニックってしまいます。
    楽しいふれあいも出来て、災い転じてですね。
    後で振り返るとこういう何気ないやり取りの方が
    心に残りますよね!!

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    1. 田舎に行ってしまうとバスがなくて帰れなくなるのが一番の心配です。一泊すればいい、というものですが家に連絡するのもどうするのか、とか。女性だともっともっと心配ですから、パ二くるのは当然と思いますね。

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