5月31日: 16日間の「暮らすように旅するパリ」---第3日
5月31日・記
《写真は6月22日に挿入しました》
パリに来て3日目、さっそくスリに遭遇した。
昼過ぎに地下鉄に乗ろうと自動改札口に切符を差し込んで通り過ぎようとしたときに、「ああーあ!!」と言う大きな声が後ろから聞こえてきた。何事かと振り返ると僕のすぐ後ろに10歳くらいの白人の女の子、そしてすぐその後ろに僕の妻がいた。
「ああーあ!!」と言うのは妻の声だった。
切符を黄色い挿入口に入れた瞬間、女の子の手が僕のポケットに。 |
女の子のマフラーが切符差込口の当たりにヒラヒラとしている。女の子のマフラーが引っ掛かったのかと思って一瞬立ち止まると、女の子は「Non,Non,」と言って改札口のバーの下をくぐり抜けあっという間に立ち去ってしまった。
僕は何が起こったのか理解できず妻に尋ねると、「女の子が僕のダウンジャケットの右のポケットに手を突っ込んだ」と言うのだ。僕は、手を入れられていた事など全く気が付いていなかった。
前のジッパーを開けていたのでポケットはヒラヒラ状態だった。ダウンのポケットにもジッパーが付いているがそれも開けていた。そこを狙われたようだ。女の子の小さな手が入っても気が付かなかったのだ。ポケットの中には眼鏡が入っていただけだが盗られていない。
財布はショルダーバッグの中そのまた中の方に入れていて、しかもひもを付けていてバッグに結び付けている。カメラもひもを付けてベルトに結び付けている。パスポートや若干の予備現金は、貴重品袋に入れて首から下げて下着シャツの下に肌身離さず持っている。
世界一の観光都市、世間の景気は悪く、スリや強盗も多いと覚悟はしていたが本当に難儀なことだ。
右ポケットには眼鏡しか入れていなかったので、ポケットに付いているジッパーを閉めていなかった。ちょっとしたスキを見せていたわけだ。スリに会わないためには、「十分気を付けているぞ」と言う態度を発信するのが重要なのに、それを怠っていたわけだ。反省!
「スリに注意」 |
ルーブルの館内にも注意書きがいっぱい。 |
人気展示品の前はこんなのだから特に危ない。 |
この事件とは別だが、昨日雨の中観光客でにぎわう橋の上で、中年の女性が観光客に何やら話しかけていた。手に指輪か何か小さなもの路上から拾い上げるしぐさをして、観光客に向かい「落としましたよ!」と言っている様子だった。観光客は相手にせず行ってしまった。
その怪しい女性はすぐに、近くにいる別の女性観光客に同じしぐさをしている。この観光客も首を横に振りながら立ち去ってしまった。
「また失敗したよ」と言うような感じ。ちょっと離れたところにいた別の女性がその怪しげな女性に近づいてきて、「今日は調子が悪いよね」とでも言いながらか、橋の向こうに行ってしまった。スリをやっている仲間同士のようだ。僕が立ち止ってしばらく様子見ていると、またまた橋の向こうから二人がやってきた、少し距離を置いて。
スリのパターンはいろいろだ。ホント、うかうかできない、パリは。
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