2月23日(木) ボラカイ 6日目
ダイビングをするのにライセンスが必要である事すら知らなかった。シュノーケリングをしたいと思って入ったショップがダイビングの店で、運のつき?
体験ダイビングをして、そのあと「ついでにライセンスも取っときませんか?」と言われるまま、時間が有ったものだからOKしてしまった。取ったところで日本に帰って使う事はないと思うけど、まあ、経験・経験と思って、始めた。
体験ダイビング 3,000P (1P=1.8円)
ライセンス取得コース 17,000P
決して安くはない。後で日本のコースやハワイのコースを見ても同じような値段でやってる会社がある。AQUALIFE DIVERS ACADEMY は小さな家族的な店ではあるが、観光地の一等地に構えてるんでこれ位するんだろうか。「PADI」と言うのは、ライセンスを世界的な規模で管理している会社のようだ。ボラカイの長さ4kmにわたって続くこのホワイトビーチのあちこちに「PADI」の看板を掲げたダイビングショップがある。
そうすると、ここボラカイでライセンスを取る利点は宿泊代が少し安い程度か。美しいリゾート地で、という楽しさもあるし。
<1日目> 体験ダイビングだけのつもりでダイビングをした1日目。3時間のコース。
簡単な説明と浅瀬での実習を30分ほどやった後、すぐ船で10分ほど沖合いに行ってもぐる。ボンベかついで、ただ息をすればいいのかなと思ってたら、なんの何の。その息をするのが大変。鼻で呼吸できないから口だけで呼吸する。それが大変なのだ。
1mか2m沈んだところで、耳の奥や頭がキーンと痛くなりアップアップ、すぐ浮上。今度は慎重にゆっくりと沈んでいく。耳ぬき耳ぬきの連続。正直、耳抜きの経験などない。海中で50cmも上下すれば耳がツンとして頭が痛くなる。頻繁にしないと大変な事になる。いきなり10m下まで行く。
半分死ぬ思いで何とか底にたどり着いた。珊瑚や色の綺麗なヒトデや熱帯魚のような魚がたくさんいたが、ただ「見た」と言う記憶しかない。観察してる余裕などない。経験だ!と思って始めたライセンス取りだが、経験だけの事ではちょっときつすぎる。
海の中は今は少し曇っていて余り透明度はない。プランクトンがたくさんいる季節で、そのためらしい。プランクトンがいるから魚もたくさんいる、と言うことのようだ。確かにいる。青や黄や赤や縞や・・・もちろん10mくらい向こうまでは見えるけど。
(あとで潜水記録をもらって、見てみると日によって違うが、水温27-28℃、透明度20-25m、潜水深さ11mと書いてあった。)
でも正直それを見て楽しんでる余裕はない。体がふらふらして安定しないし、ちょっと、上に行ったり下に行ったりすると、とたんに耳がツーン。
<2日目> ライセンス取得コースに入ってしまった。
とりあえず、ボラカイで何をしようという予定を入れておらずフリーだったから、営業に乗せられてやってみる事にしたライセンス取得コースだ。「簡単です」「先日、80歳くらいの人にも教えましたよ」なんていうもんだから。
日本で取ったら6万円とか7万円とかしますとも言う。値段がどうだから、と言う事は全くなかったんだけど、20,000P(36,000円)で4日くらいの講習で楽しい体験もさせてもらえるのはいいかな?と思った。
8:30 講習開始。先ずはビデオで勉強。簡単なテスト。
昼からは2回目のダイビング。半分死にそうなのは前日とおなじ、大げさに言えば、説明も予行演習も1回くらいですぐ本番。「堀内さんにはもう同じ事3回も言ったよ!」なんて何回も言われながら。
色んな課題を与えられてそれでも何とかクリア。空気タンクの空気がなくなった時にそばにいる人から空気をもらう方法やおぼれた人を引っ張る方法、などなど。
終わってから、またビデオで勉強。疲れて眠くなって寝てしまったので、明日また朝から同じビデオをもう一度学習しなくてはならない。簡単なテスト。前日渡された教科書があり、ホテルでの勉強もするよう言われた。
この日は5時ごろ終了。ホテルの明かりは暗くて文字が読めない。ラップトップ(パソコン)の画面の明るさを最大にしてそれを照明代わりにして勉強。
<3日目> ライセンス取得って結構ハードやなあ
9:30 講習開始。ビデオで勉強。午前中に浅瀬で実習。
命にかかわる事だからこっちは必死だ。インストラクターは自分が出来るから人もすぐ出来ると思ってんのかなぁ。それとも、若い人はみんな簡単に出来てしまうんかなあ。
|
ショップ前の浜辺 |
午後からは前日のように船で沖合いに出かけ実習・テスト。水中や水面でジャケットを脱いだり着けたり、一定の深度で止まったり、コンパスを使ったり、空気がなくなったときの緊急対処の方法やら・・・ こんなん、一度説明されただけで出来る?
堀内さん・・覚えが悪いなあ!とこの日も何度も言われながらなんとかこなしていく。水の中だからものが言えない。決められたジェスチャーで「ハイどうぞやって下さい」。陸の上では「水中でまず見本を見せるので、こんなジェスチャーをやったら同じ事をやって下さいね」なんて簡単に言うんだけど、それがなかなか。まず、一定の姿勢をとるのが難しい。
危ないのは、急激に上昇すること。肺に障害を起こす。そんなに深いところで実習してないから深刻な危険はないんだろうけど、それでも、今日は実習の最後、何かしら深さのコントロールが出来なくなって浮かび上がってしまった。ゆっくり浮かび上がらないといけないところ、少しスピードが速かったのか鼻血を出した。
夕方は教科書の自習やらテストやらがあって、終わったのは6時。
<4日目> ライセンス取り、もうやめた!
10:00最後の日。この日は午後から50問の最終テストがあり、今までは教科書を見ながら答えればよかったのがこのテストは何も見ないで答える、と言う。夜は暗くて勉強しづらいので、朝に勉強しておいた。
それにしても、耳の調子がよくない。最初のダイビングの後から右耳が少しおかしかったのが、今日は左もだ。潜るのは中止した方が良いのかな?
朝起きてからずーっと考えてた。いい歳なのでここで無理をしてはいけない。あと一回潜ってテストに受かればライセンスがもらえるけど、それよりも健康第一だ。よし、ライセンス取りは中止だ! そう決心してホテルを出た。5分ほど歩いたところにショップがあってインストラクターのATSUKOさんが待っていた。
「もうライセンスはいいのでテストだけ受けさせてください」。朝、テストを先ずやった。50問を45分ほどかけて回答。100点満点の92点だった。合格! 何点が合格ラインかは知らないけど。
「後で浜辺へ行きましょう」と言うので、そのあたりでバシャバシャと水遊びをするのにお付き合いしてくれるのかなと、と思っていた。ダイビングスーツをはじめ、ダイビング用の機材一式をつけて浜辺に行った。
ゆっくりと水に入り、潜っていく。だんだん深いところに行く。今日は余り深いところには行かないと言うので5mまでOKの防水カメラを持参した。ダイビングも4回目なのでちょっと落ち着き始めた。それに過去3回よりも浅いと言う安心感。魚やウニなど今までより落ち着いて見れる。
相変わらず体勢は落ち着かないから写真やビデオを取るにも一苦労だが、何とか潜っている証拠写真は取れた。
こんなに落ち着いてダイビングできるんだったら普通にダイビングの講習をお願いして、ライセンスをもらえば良かったかな、と水中で思ったりもした。
「堀内さん、今日は落ち着いててしっかり出来ましたね」なんて褒めてくれる。「4日間ありがとうございました」と礼を言うと、「夕方、また来てください。ライセンスを渡します」と言う。
目指していたのは「PADIオープン・ウォーター・ダイバー」といい、4本のダイビングで課題を全てクリアすればもらえて、監督者なしで自由に潜れる。
その下に「PADIスクーバ・ダイバー」と言うのがあって、こちらは2本のダイビングでライセンスがもらえる。ただし、潜るときは必ず監督者が必要で最大12mまで潜れる初心者コースだ。3本潜ったんだから「PADIスクーバ・ダイバー」のライセンスをくれるのかなと思った。
ところが、「堀内さん、ちゃんと4本ダイビングしましたから『PADIオープン・ウォーター・ダイバー』ですよ」だって。
なんと、自分ではもうギブアップしたつもりの「PADI オープン・ウォーター・ダイバー」のライセンスを頂きました。こんなん、次はどこで使うのかしら? ありがとうございました、ATSUKOさん。
|
終了の証を手にATSUKOさんと。
この写真はATSUKOさんのブログから借用。 |
ATSUKOさんのブログに僕の写真が・・・