6週間のスペイン語留学を終えて、いろんなことを思い出しながら・・・・・
10月9日(木)スペイン滞在27日目のこと―― カディスにて
学校の帰りに、リュックを背負ったまま、楽器屋さんに向かった。
バス停を5つ6つ行ったところに楽器屋さんがあって、そこにもう一度行ってみたかった。前に行ったときは日曜日で休みだったからだ。日曜日は歩いたけど、結構距離があるので今度はバス。
バス停にはルートが3つ書いてあって、良くわからなかったが、時間があったので違うところへ行ってもいいやと、最初に来た「ルート1」のバスに乗った。幸運なことに、目指す楽器屋さんの方に向かった。
楽器屋さんはこの街には3店くらいしかなく、一つは旧市街、もう一つは新市街の百貨店の中、もう一つが日曜日に一度行ったところ。
一つバルブのコルネットや真っ黒の色をしたトランペット、それにアルトトロンボーンと言うかピッコロトロンボーンと言うかスライド管が付いたトランペットほどの大きさの小さいトロンボーンが置いてあった。
ひと通りぐるっと見て、帰りもバスで帰った。下宿に帰って、ノートや電子辞書などがリュックに入っているリュックをおろし、中身を出した。ところが、あったはずのICレコーダーがない。
財布、カメラ、電子辞書、鍵は落下防止と、スリ被害防止のためにひもでジーパンかリュックのどこかに必ず結び付けている。でも、ICレコーダーはそれをしていなかった。
「しまった、スリにやられた?」 往きのバスではジッパーを開けたままにして乗っていて、帰りのバスでそれに気が付いて、すぐにジッパーを閉じた。
財布は普通のヒモで、それ以外の青・黄・緑のヒモはプラスチック製の
スパイラル式で引っ張ると伸びるタイプのもの。
|
それとも、落とした? イヤホンを差したままだったから、落ちにくいんだけど。
可能性は2つ。スリか落としたか。どちらにしても僕が悪いんだからとあきらめた。
夕ごはんの時に下宿のカディスおばさんに顛末を話した。それを話すのも大変だ。
小さな録音機 リュック ジッパー スリ スリ盗られたかも? 落としたかも? あきらめる
一応これだけの単語を辞書で調べて、文を組み立ててから話す。まあ何とか言いたいことは伝わったが、おばさんからは10倍くらいの反応の言葉が返ってきた。ほとんど意味不明。
「私も、私の友達も被害に遇いかけたことがある。」
「3人の子供連れの○○人(旧共産圏の北の方の国名を言ったがここでは伏せておく)の母親がいて観光客の多い旧市街でいつも仕事をしてる。」
「警察には顔は割れていて、警官も知ってるんだけど、現行犯逮捕(こんな難しい言葉は知らないので僕が勝手に想像してる)できないでいる。」
要するに、そんな事を言っていた。
一応、学校にも話をしておこうと、今日事務所の受付の女の子に、「実は録音機を・・・・」と言い始めたら、すぐに「これでしょ?」と僕に差し出してくれた。教室のどこかに落としていたか置き忘れていたらしい。
誰が拾ってくれたとも、どんな状態で見つけられたかも聞かず、ただ「ありがとう、ありがとう」と感謝の心を込めて胸の前で手を合わせ、お辞儀をするだけの僕でした。